歯周病専門医が総入れ歯をつくったら・・・ [診療日誌]

私は、日本歯周病学会から認定されている歯周病専門医です。したがって、当院は比較的歯周病に困っている方が多く来院されます。かといって、総入れ歯の患者さんや、小児の患者さんも来院されないわけではありません。専門医だから、入れ歯を作るのはできない。子供さんの治療はできないというわけではありませんから御心配なく。
今回、私にある総入れ歯を研究している勉強会のニュースレターに原稿依頼がまいりましたので、書いてみました。img091.jpg
歯周病治療は、歯周病になった歯を、何とかして、いろんな手を使って保存する治療で、総義歯治療は歯を失ったお口に入れ歯を入れる技術を研鑽します。私たちは歯が残っている人の歯を残すことの専門家で、歯が無くなってしまった人の専門家が、総入れ歯の専門家です。歯医者の仕事をそこまで細分化する必要は、一般の方には理解しにくいかもしれません。
まぁ、普通頼みもしないような相対する分野から、オファーがあったと考えてください。img092.jpg
そんな、わけで「歯周病専門医が総義歯つくったら・・」と言うタイトルで、簡単な文章を書かせていただきました。内容は、歯科関係者しかわからない内容ですが、入れ歯製作における面白いエピソードを書いてみました。その中に、あるおじいちゃんの幽霊がでてきた話も書いてます。興味がある方は連絡ください。ニュースレターは、少し多めにいただいてますから、分けて差し上げます。
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うれしいこと [診療日誌]

久しぶりに患者さんから、訪問診療の依頼がありました。
もう1年以上も前に、脳出血で入院されて、厳しい状態が続きましたが、義歯も嚥下もなんとか回復して転院されました。しかし、転院先では、状態が芳しくなく義歯も、お口の清掃状態も今一歩というところでした。また、お身体の方も、回復はよくなく。訪問歯科診療で、お口を診せていただいたり、お身体の状態からも、もう長くはないのかな?と想像できそうでした。
そんな状態でしたが、なんと半年ぶりくらいに訪問歯科診療の依頼がありました。・・・、きっと、惨憺たる状態になっているのかな?と心配して行ったのですが・・・。
「まあ先生、私起きられるようになったのよ!今日は、車いすに座って診療してくださいな!」と・・・・。
握手をして、なかなか手を離してくれません。なんだかうれしくて、涙がでそうになります。
お口を拝見。すごくきれいなお口になっていました。
「毎朝、主人が、来て先生が教えてくださった口腔ケアをやってますの!」と・・。
入れ歯を少しだけ調整することが必要でした。今まで寝たきりの状態で、食事する体位も変わったからでしょう。
顎の位置の変化で、入れ歯にアタリがでてきたのでしょう。車いすの状態で、調整させていただきました。
数日後、ご主人が診療室にお見えになり、「家内の入れ歯は、よくなりました。ありがとうございました。」とお礼を言われました。
すごいなぁ、やっぱり、口腔ケアは・・。
高齢者のご夫婦ですが、こんなにきれいなお口にご主人が、りっぱにされていて、本当にうれしかった。
少しづつ、少しづつ、浸透してきてますね。口腔ケアが・・・
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写真は韓国旅行で購入した白磁のコーヒーカップ

いろいろあるんです。 [診療日誌]

開業当初から、当医院を使ってくださる患者さんがいます。
悪くなったら、治療で、予防やメインテナンスには応じてくださらなくって、今回下の前歯だけになりました。
「先生、この歯も、ついでに抜いてくださいナ!」と、簡単におっしゃる・・・。
入れ歯が、得意ではない私は「下の顎の入れ歯の安定のためには、少しでも歯があるといいのですよ。」
と、保存をお勧めした。
どうにか理解していただき、義歯を入れました。幸い、特に問題がなく予約の日におみえになりました。
調整もほとんどなかったので、終わりにしようと思ってましたら・・。
患者さんが、「65歳で、自分の歯が、2本しか残らなかったのはね~」と
お話を始められました。
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「生まれてから、歯は自信があったのですが、今から、30年くらい前に、出産で歯が悪くなり、ちょうどその時に行った歯医者さんでは、麻酔もしていただけなくって、それは、それは痛い思いを」しましてね。それから歯医者に行くのが怖くなって・・・・」「先生、どう思っているかわかりませんが、いろいろ、あるんですよ。」と・。
患者さんの言葉の意味の裏には、いろいろあるんですね。こうして、何十年もして、やっとお話してくださる方もいらっしゃいます。
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口腔ケアは、魔法のひとつ [診療日誌]

今日は、午後から休診です。病院より訪問診療の依頼があり行ってきました。
89歳脳梗塞後遺症でまひのあるおじいちゃん。上の入れ歯があわないみたいです。
お話もあまりできないと聞きました。
「こんにちは、歯医者ですよ。」
「お口を掃除しますね!」お口が乾燥して、パリパリのくちびるを、お口専用のウエット・テッシュで
さっとふいてあげる。「お~、すべすべのくちびるになりましたね~。」
入れ歯を入れる。・・・すると入れ歯は、あっという間に落っこちてくる。
とりあえず、粘膜調整剤で合わせてみることにしました。
ほどなく、入れ歯は、本来あるべきとこに落ち着きました。
お口を開け閉めしても、落っこちなくなりました。
「おじいちゃん!どこから来たの?萩にすんでいるの?」ずいぶん、初対面にしては無礼な言い方です。
「う、う、か~んこく。」「えっ、韓国から来たの?」nekoScan10500.jpg
「う~ん、生まれはね~。」
そばにいた言語聴覚士(ST)の彼が、びっくりしました。「えっ、話せるんだ~~!?全然、話ができないとおもったのに ・・・?」
「今は、どこに住んでるの?」「○△町!」段々としゃべり始めました。
「しっかりしてるよ!ちゃんと、しゃべれるよ。意思も通じるし・・・。」
最後に、握手をしてみました。しっかりと握り返してこられました。
これで、食事がうまく食べられたらいいなぁ!と思いました。
いっしょに行った衛生士さんが帰りがけに「先生、お口のウェット・テッシュが効きましたね!」
STさんは、魔法をかけたと思っているみたいでしたけど・・・!
口腔ケアは、魔法のひとつかもしれませんね。
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毎日、あめを10個食べてます! [診療日誌]

平成19年より来院されている高齢者の男性で、気管支炎、狭心症、高血圧がある。また6年前には胃がんにもなっている。最近、虫歯の進行が早いので・・少し聞いてみた。
「ご飯を食べるより、あめを食べたほうが元気になる!」と自信を持ってお話された。
こんな人が、いらっしゃるのですよ。
全く、健康的な食事ではない。昼食、夕食はお菓子で済ませんることが多いそうだ。
もともと、虫歯菌が産生する酸に対する中和能力が高いのだろうが、最近は高齢になり唾液量も減ったためであろう。虫歯が増えてきた。
「虫歯になっても、先生が治してくれるから・・・」と、こちらの指導を聞きもしない。
虫歯よりも、そういった食事によって身体に影響を及ぼすことの方が大変かもしれない。
「医者がいるし、もう高齢だから・・・」  えっ、高齢だから・・・?いいの?日本の保険制度は世界でも非常に優れていると思う。
こんな感じで、診療を受ける患者さんが、多くてはそりゃ財源もなくなるよな。
「先生、僕はね。1日飴を10個食べてます。そうするとすごく元気になるんです。」
・・・・・・・。飴を食べている間、ずっと歯が溶けているんだなぁ~。と想像すると・・・
こりゃ、歯を修復するスピードよりも、歯が溶けてしまう方が、早いかも・・と思った。
そして、血液のデータも悪化して、また何かの病気で苦しまれるのだろう。元気にならなくなるのになぁ。
何か、気がついてもらえる方法は、ないのだろうか?
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ついでに・・・ [診療日誌]


いつも、悪くなったときだけに来院するある患者さん。右上の差し歯がはずれたみたい。
その歯の処置が終わった頃、
「先生!ついでに左下の奥歯も診てくれんかね!舌に引っ掛かるみたいな感じがしてね。」
「ついで・・かよ!?」と思った。「
「ついでってないよな~~」と思い左の下を診ると
・・・3~4年前、「もう駄目ですよ」といった歯が、とうとう悲鳴をあげてきていた・・・・・。

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先生!薬を減らしてもらえませんか? [診療日誌]

歯周病治療後のメインテナンスで毎月歯のクリーニングにいらっしゃるKさん。
担当の歯科衛生士さんが、お口のことやお身体のことをお話している時に
Kさんは別に通院している医科のことをお話になりました。
「気管支喘息で近くの病院に通っているのですが、毎日飲む薬が多くて多くて。
朝なんか15錠も飲むのですよ。
何かを訴えると、それに対するお薬が出されます。
お医者さまが、どうですか?と質問されるのが怖くて、怖くて。
さすがに、前回は薬が多くなったので、少し減らしてもらえませんか?と聞いてみたのですが・・」
と訴えられました。
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Kさんのお顔は、薬の副作用ともとれるような、とても健康そうなお顔ではありません。
専門外のことに口出しはできないので、返答に窮しました・・・
とりあえず、薬の内容を見せていただきました。
専門外の私が見ても、多いなぁと思います。
抗生物質がだされています。それも、長期間・・。抗生物質って、こんなに長期間使ううんだ・・・?。

「私、薬剤師になって、薬局でもしようかな・・!」ととうとう皮肉めいたこともおっしゃってました。
行き場のない怒りを、冗談で紛らわしていらっしゃいました。

医者不足で、地方にとっては、大切なお医者様です。
過酷な労働条件でも献身的に働いていらっしゃる先生も少なくはありません。
この地域でも、それは、頭の下がる立派な先生もいらっしゃいます。

でも、なんかおかしいような気がします。一番弱い患者さんが我慢しなければいけないのでしょうか?
少し考えさせられました。
みなさんは、どう思いますか?
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マンガでわかるお口のリハビリ~時世さんの場合~ [診療日誌]

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時世さんは、80歳前のお元気なお年寄りです。
明日は、楽しみしていたコンサートに出かけます。
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コンサートは、楽しかったけど・・。疲れてしまいました。
でも、少し休めば・・。

なんだか、頭がくらくらする。
「おとうさん!おとうさん!救急車を呼んでくださいな!」
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時世さんは、軽度の脳出血でした。
しばらく入院が必要です。
でも、時世さんは、自宅に残ったご主人のことが気になって仕方ありません。
「ご飯は、どうしているかしら?」「洗濯は・・?」
無理して、動こうとしてベッドから落ちてしまいました。
幸いけがはなかったのですが、担当の先生や看護師さんから注意されました。
「今、しっかりと治療して元気になってお家に帰りましょうね。」

症状も安定して、リハビリをし始めました。だけど、なかなか食事がうまくとれません。
時世さん、ピンときました。時世さん笑顔Scan10031.jpg

「以前、介護予防教室でいただいた、あれ、あれ!」
そうです。お口の体操のポスター!
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おとうさんに、自宅より持ってきていただきました。
おとうさんは、ポスターと一緒にこんなものまで持ってきてくれました。
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「なに!遅口ことば?早口言葉は聞いたことあるけど・・・!?」
「介護教室で、また新しいの、配ったみたいだよ。」とお父さんは言ってました。
「なんでも、大きな口をあけて、ゆっくりしゃべるといいみたいだと・・・」
おとうさん、今まで介護なんか気にもしなかったのに・・・お母さんのこと思って、介護教室に行ったみたいです。

おとうさんの、やさしさと、賢明なリハビリで時世さんは、脅威的な回復をしました。
介助があれば、お口からお食事ができるまでになりました。
みんなと同じ食事ができるまでは、あとひと踏ん張りです。
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本当にあったことを、もとに創作しました。

当院での、8020達成者表彰 [診療日誌]

「まぁ、こんなことされるのなら、お化粧してくればよかった!」
「いつも、歯医者さんには、すっぴんで来るの!」
と、照れる患者さん。
当院で、歯周病の治療を始めたのが7年前になります。治療を終了して毎月、衛生士による歯のクリーニングに来院されています。「もう、7年になるのですね!」
このたび、晴れて80歳に、そして、みごと26本の歯を、保存されました。
山口県歯科医師会会長より、8020達成者の表彰状と記念品が贈られてきましたので、診療の最初に簡単な表彰式をしました。(県歯の柴田さんへ:この通り表彰式をしましたよ!)
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とても、喜んでメインテナンスを受けて、お帰りになりました。
「次は、9020、いや、9026ですね!」と、励ましました。
お隣の患者さんも、一緒に拍手されてましたよ。
元気で、いつまでも自分の歯で、食事ができるなんて、やはり幸せですね。
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上と下の入れ歯を別の歯医者で作ったのを入れても・・・・ [診療日誌]

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80歳を、とうに越えているおばあちゃん。
遠くから、お嫁さんのだんなさんに送ってもらって来院されます。
上の入れ歯は、○○歯科で作ったのを、下は○×歯科で作ったものを入れてこられます。
「たくさん作ったんですけどね~~。これと、これがいちばんよくってね~。」「でも、痛くて、痛くて!」

「上と下が、違う歯医者で作ったものだと、まぁ、ほとんど合わないですよ。」と申し上げたのですが・・。
「でも~!」となかなか聞き入れていただけません。
新しい義歯を作ったのですが・・。また、ほかの医院で作ったものと組み合わせて・・・。

ちっちゃい傷ですが、「こめかみまで痛い!」大騒ぎします。

おばあちゃん。もう少し素直になってくれればいいのですがね。
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