恋する入れ歯 [診療日誌]

歯周病専門医には、入れ歯を作りに来られる方が少ないのです。
だって、歯を残すことが専門ですから・・・。
特に総入れ歯は・・・、本当に少ないですね。
もっとも、今の日本の80歳は、30%以上が8020(80歳まで20本歯を残す)を達成しているのですから・・・

今年、初めての総入れ歯の患者さんがお見えになりました。
いつも、にこにこしているおばあちゃんです。
入れ歯の高さを調整している時です。
あまりにも口元の変化が大きく、数十歳若くなったようなお顔になりました。

「すごく、お若く見えますよ。もう一度恋ができますよ。

うちでつくる入れ歯をいれると恋ができるんですよ。

恋する入れ歯っていうんですけどね。」と私が言ったら・・

患者さんは、思わず吹き出して、二人で大笑いをしました。

「まぁ、私は、この世で最後の入れ歯を作っていくつもりだったのに・・・」と

そして、何か思い出したように・・・・・

「そういえば、おとうさんの棺桶に入れ歯を入れるの忘れてました。」と・・。

「そりゃ、あちらの世界で、さぞ困ってらっしゃるでしょうね。」と私が言うと・・・。

「あっちにも、歯医者さんがおられるでしょう。」と患者さん。

また、また二人で大笑いしました。
恋する入れ歯は、来週完成します。nekoScan10500.jpg
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コメント 2

徳さん

なかなか愉快なおばあちゃんですね。この朗らかさも若さの秘訣ですね。
8020の人がそんなにたくさん居るとは思いませんでした。歯に対する意識が変わってきたのでしょうね。
by 徳さん (2012-03-11 08:53) 

なんちゃん

徳さんへ

そうなんですよ。意識が変わっただけでなく歯科医師会などで啓蒙活動の際国民に理解しやすい用語(ハチマルニーマル)だったこと、そして歯科関係者の方々、とりわけ診療室で大黒柱としてがんばっている歯科衛生士さんの力が大きかったのだと思います。
by なんちゃん (2012-03-11 18:03) 

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