山口摂食嚥下セミナー [摂食・嚥下]

「私が、お世話になっている歯医者さんで、相談したんですけど・・。先生興味がないみたいで・・。」とある方が質問なさいました。
昨日、朝早く萩を出発して宇部市のホテルで開催されました「山口摂食嚥下技術セミナー」に参加しました。講演者は、私の母校の口腔衛生学教室の教授の向井教授、准教授の弘中先生などです。向井先生は日本の摂食嚥下の第1人者とも言える方です。私は学生時代こってりと絞られました。ごあいさつしたら・・よ~く、おぼえてくださってました。
さて、冒頭の質問なんですが、向井先生の講演の後、フロアからある女性の方が質問されました。
本当に、そうなんです。山口県では、摂食嚥下に興味を持って取り組む歯科医師は、ほとんどいないのです。困っておられる方は、たくさんおられるのに・・・。(実際、こういった勉強会があることすら知らない歯科医は沢山・・というか、ほとんどだと思います。)
理由は、簡単です。お金にならないからです。やっぱりインプラントや審美を勉強した方が、経営的には楽になりますから・・・・。医科においても、美容整形が儲けがいいのと変わらないところもあると思うのです。

しかし、歯医者ばかりの責任にもできません。歯科の経営は本当に厳しい。これも、友人の先生から教えていただいたデータですが、昨年の歯科の日本平均の売上げに対して、医科の開業医は2.5倍、薬局は3倍以上の売り上げになるそうです。
歯周病などの慢性疾患で来院される方が多いのに、急性疾患と欠損補綴が中心の保険システム。歯周病の治療を一生懸命すればするほど、赤字になります。先日も汗びっしょりで1時間かけて行った歯周外科処置が1万円ちょっとしかならないのです。壊れた入れ歯を預かって修繕する方が、点数うがよかったりすることもあります。(こんなこと言うと、入れ歯の方の点数をさげられちゃいますね!)だから、わけのわからない水や、急に思い立った薬剤を使用して、歯周病が治ったとか、無菌化できたって騒ぐのかな?と思います。(素晴らしいお水は、保険診療では扱えないのですよ。毎回1万円近く費用がかかるのですよ!TVでは、こんなこと言わないですよね。)
「お金にならないから勉強しない。」というのも、医療に携わる者として恥ずかしいのですが、皆さんに、がんばっていっしょにやろう!とも、なかなか言えません。でも、お金になると優秀な先生は、あっという間に私なんぞは追い越してしまうでしょうけど・・・。そういった意味では、民主党に期待して摂食嚥下の保険点数が上がると、みなさん、どんどん勉強して、困った患者さんが救われてくるでしょうね。

あの会場には、おそらく講演された向井先生、弘中先生の他は、歯科医師は私だけだったかもしれません・・。申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。ずっと、下をむいてました。本当に情けなかったです。すいません!
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