高齢者と肺炎、そして口腔ケア [口腔ケア]

「入れ歯の調子が悪くて・・。」とご高齢の紳士が来院されました。きちんとされていて、本当に身なりのしっかりとされている方です。入れ歯を拝見。かみ合わせに若干の問題がありそうです。「昨年義歯を作ってから調子が・・。」
下の義歯は、顎堤(がくてい、歯茎の土手のこと)も吸収しており、入れ歯ののっかる部分はありません。
難しいな!せめて噛みこんだときだけでも、入れ歯が動くのを防ごうと思いました。かみ合わせを調整してみました。
まだ、数本歯が残ってますが歯周病です。この少ない歯は、歯科医院の方でクリーニングしてなるべく長く保存しようと思いました。若い衛生士さんの話も、よく聞いてくださり、入れ歯も、残った歯の清掃方法も一生懸命聞いてくださいました。
「少し調子がよさそうなので、これで食べてみましょう。歯ブラシは、どれがいいですか?」と、
[あまりこだわらなくても・・」と思ったのですが、熱心なので圧倒されました。
いくつになっても、やはり健康(健口)でいたいのですね。数本の歯をいたわるように大切にしょうという気持ちでいっぱいでした。
「ありがとうございました。」と、さわやかな声であいさつとともにその日はお帰りになりました。
高齢者だから、簡単でいいというわけではなく、できる人には、こちらも熱心に指導すべきですね。
少し反省するとともに、勉強になりました。

だが、数日後、肺炎で入院されたと連絡をいただきました。「これからだったのに・・・。」と私は思いましたし、ご家族も全く同じ気持ちでした。口腔ケアをすれば高齢者の肺炎の40%を減少できるし、肺炎による死亡率の50%減少することができるという報告があります。
その後、風の便りで、亡くなったっことを聞きました。非常に残念でした。
さらにその後に、ご家族の方とお話しすることができました。ご家族の方は「私がついていながら・・」とお話しされましたが・・・。
今までがんばったじゃないですか。93歳まで本当によくお世話されたと思います。
亡くなられたおじいちゃんも、きっと天国で感謝されていることだと思います。
御苦労さまでした。
そして、私も、またひとつ勉強させていただきました。

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