老々介護の末・・・ [診療日誌]

毎月、診療室に来る萩市報。私も、従業員も真っ先に読むのは死亡欄です。「先生、あの患者さんが亡くなりました。」と担当していた衛生士さんが、時間のあいたときに、そっと言ってくれます。
高齢者だから、いつかは訪れることだから・・と思いつつも、すごく残念な気持ちになります。最後まで、おいしく食べることができただろうか?いろんなことを思います。
今年の春に、病気がちな奥様を亡くされた高齢のご主人がおられました。このご夫婦は、とても仲がよくて奥様が病気がちで、ご主人がいつも歯科治療のときには、付き添いでいらっしゃってました。「私は、心配ないから、家内をよく診てやってださい。」と・・。本当はご主人の方が総入れ歯で具合が悪いのですが・・。山口の病院に奥様が入院されたときに、入れ歯が不調になり、再製作した時には、山口まで入れ歯を配達して奥様の病室で、入れ歯の診察をしたことが思い出されました。カルテを見直しますと、今年になってお二人ともおみえになってないな・・。たぶん奥様の看病が大変だったのだろうな。と思いました。病気の方は、介護する人に、全体重をかけてきます。抱えるときには、介護者の腰の骨の髄まで痛むほどの力がいります。本当に答えられない力と疲れが・・・。
この6月の市報で、このご主人が亡くなったことを知りました。カルテを見直しました。この患者さんとのいろんなことが思い起こされました。また、いろんなことを思いました。

お疲れ様でした。ゆっくりとお休みください。
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五月晴れ

寂しいですね。
先生のお気持ちお察しします。
私の職場でも社協の広報を見て話すことあります。
ご夫婦で仲良く連れ添ってこられた方がお1人になり、何時の間にかその方も来られなくなる。
重たい空気になります。

口腔ケアで訪問してた時、夫婦の在り方、生ききると言う事考えさせられました。
by 五月晴れ (2009-07-05 08:31) 

なんちゃん

がんばれば、必ず神様はご褒美をくださる・・。
若い時には、その通りなのですが、介護の果ては・・、悲しみしか待ってないと思うとつらいものがあります。介護を受ける人も、する人も大変だけど、今、その時に、にっこりしていただく。
「ありがとう。」という言葉をいただく。
瞬間、生きててよかったと思っていただく。
「あ~、おいしかった。」って言っていただくために、私たちはがんばるのです。おひとりになられても、なんらかのサポートをして差し上げることができれば、いいですね。
by なんちゃん (2009-07-11 11:16) 

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