よい歯のコンクール

毎年、この時期に萩では「よい歯のコンクール」といって、市内の小学校、中学校から虫歯や歯周病がなく、歯並びもきれいな生徒さんのコンテストをして、優秀者を表彰する事業を行っています。どこの地域にもあるのでしょうか？歯科医師会にとっては、市民へのアピールの場でもあるわけですが、私は、かねてよりこの「よい歯のコンクール」を疑問に思っていました。
生まれつき条件がよかったために健康で育った人を表彰するのですから・・。健診の結果なら、よい目のコンクールとか、よく聞こえて耳垢のついてないコンクールとか、よい内臓のコンクールとか・・・、あってもいいのかな？なんてひねくれた考えを持ってました。（今も思っています。）まぁ、歯科の特殊性とでもいいますかね。
表彰というのは、努力してなにかを成し遂げた人に贈られるものだと思っているからです。
でも、今回、少し考えが変わってきたのです。というのは、私が校医を務めている小学校の生徒さんのお話です。
このお子さんは、入学前にほとんどの乳歯が、虫歯にやられていました。治療は、かなり苦労しました。私が泣きたいくらい大変でした。私はこのお子さんが治療に来るたびに、憂鬱な気持ちになったものです。
しかし、小学生になってから、ご本人とお母さんが一生懸命にがんばって、６年生になる頃には、すべての永久歯が虫歯にならずにすんでいました。（本当は一本だけ虫歯があったのですが・・・。）二人のご褒美にために、「よい歯のコンクール」に推薦しておきました。この努力は、「よい歯のコンクール」で審査はできないでしょう。残念ながら優秀賞はいただけなかったけど・・。
嬉しそうな、お母さんと、お子さんの笑顔がよかった！よかった！虫歯は、心がけで防げるのです。
健康を市民にアピールするには、こういったことのほうが大切じゃないかなと思っているのですが・・どう思いますか？

コメント 2

こんにちは。当地区の歯科医師会ではよい歯の表彰式には全員を表彰する傾向にここ数年なっています。
まるで運動会の徒競走の時にゴールの前で一回みんな止まって一斉にゴールするという平等社会の象徴のようですが
優劣をつけない　という考え方からだそうです。
幼稚園側からの要請が大きいそうですが。
治療を頑張って治した児童には当然だと思いますが・・・・
一律全員にというのも・・・・・・・・
どう思われますか？
by 通りすがり (2009-06-02 18:14) 

通りすがりさん
コメントありがとうございます。
この事業を行うことの歯科医師会の目的は、住民に歯や歯科疾患の予防への関心を高めることにあると考えているのだと思います。その考えからいくと、私は、優劣をつけても、つけなくても、健康な歯って、いいことなんだということが地域住民に伝わるのであれば多分いいのだろうと思いますよ。
しかし、昨今の徒競争の問題には、唖然とします。あなたと同じ考えです。

by なんちゃん (2009-06-03 00:25)