今日も旅ゆくⅠ その2 [旅]

ある亡くなった患者さんからいただいた旅行記「今日も旅ゆくⅠ」の2回目の紹介です。
言葉が通じないと、苦労して旅の楽しみは半減します。だけとイチロウさん(旅行記の筆者)は
それすら、楽しんで文章に綴っていらっしゃいます。
なにやら、テレビの「世界の・・・・から」を見ているような、ほのぼのとした気分にされますね。

香港も日本の中にーアンダルシア セビーリア発ジブラルタル海峡の港町アルヘンシラス行の列車は2等車のみ。 ユーレイルパス1等を持っているが仕方ない。取り澄ました1等より世間話の花が咲く2等が愉しいかも知れぬ。バルセロナが州都のカタルーニャと異なり、此処アンダルシアは赤土の起伏が続き、オリーブの葉裏の銀色が大地の渇きに輪をかけている。「メセタ」と言われる風景。シェラネバダの山脈が遥か地平線に見えかくれする。隣席のオヤジさんが国はどこかと訊くので「日本人ハポネス」と答える。「トーキョ?」「オーサカ?」 「ヒロシマ?」矢継ぎ早に知っている限りの地名を挙げる。住所の事である。山口県と言っても解る筈がないので黙っていると傍らのオカミさんが「香港?」と口を挟む。是には驚いた。香港も日本の中と思っているのだろう。考えてみたら我々でも中近東の都市名を訊かれても即答出来ないのではないか。 隣のオヤジさん何か話しかけてくるが言葉が通じない。黙っていと礼を失するので「Si(はい)」で通す事にする。何とも奇妙な場面である。何を言われても「Si」。「お前は馬鹿だ」に対しても「Si]と答えたに違いない。 列車はそれぞれの思い、夫々の人生を乗せて走ってゆく。
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やまぐちのてっちゃん

おっしゃるとおり、世界の車窓からで何度となく見入ったRENFE(スペイン国鉄)の急行列車の車窓が目に浮かぶようです。言葉は通じなくても旅を愉しんでいらっしゃる、何とステキなことでしょう。ぼくもいつだったか熱海かどこかで海外の方とカタコト英語で話したところ、山口が理解してもらえなくて、between Hiroshima and Fukuoka と言ったことも(笑)
by やまぐちのてっちゃん (2012-06-12 12:25) 

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