第14回病院歯科介護研究会に行く [学会]

秋晴れの好天気の運動会日和の早朝に、岡山へ病院歯科介護研究会に出席してきました。
この研究会は、参加者は300名くらいで学会というほどの規模ではないのですが、内容は
専門学会を十分に超えています。ほんとですよ!
というのは、臨床的で現実に我々が、実際に直面している事実を演題にしているからです。
病院歯科と研究会の名が付いているのですが、我々町医者でも訪問歯科や介護に関わる方
に大いに参考になる演題ばかりだからです。大学院の学位のための演題が並ぶ歯科の専門学会
とは違う、本気の臨床でなおかつ学術的な研究会です。
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今回も、朝から夕方まで、興味ある演題が目白押しでした。
今回のメインテーマは「認知症の緩和ケア」というもので、終末期まで見据えた口腔領域での対応が副題です。
緩和ケアといったら、末期がんだけと思ったら、認知症に関してもあるのですね。
最初は静岡がんセンターの大阪巌先生が「緩和ケアの変遷」と題し登壇され、その歴史とこれからをお話になりました。その中で歯科に期待すること、緩和ケア的な視点を持って診療にあたることなど多くのことを示唆していただきました。スライドの最後に「治すことはときどきにでしかできないが、和らげることはしばしばでき、癒すことはいつでもできる。」という言葉は、強く胸に残りました。
 そしてパネルディスカッションでの東京大学の会田薫子先生の認知症末期の人工的な水分・栄養補給について臨床死生学の立場からのお話は、先生の語り口とともに非常に説得力あるお話をいただきました。氏のお話は、老衰や認知症末期に1分1秒命をのばすことのために人工的に径管栄養をすることの意味について、疑問を呈するというべきものではなく、むしろ施行を中止する社会的なコンセンサスが得られる時期にきているというお話でした。私自身の家族(父)のことが、頭をよぎり、勇気をふるって質問しようと思ったのですが、座長の平原先生が、非常に冷静かつ丁寧に、私の思っていることを質問されて安心しました。会田先生の、お答は時間の関係もあり、まだ納得のいくものではなかったのですが、またゆっくりとお話が聞ける時間があればと思いました。本当に、重要な問題提起されて自分の中では、本当に貴重な時間を過ごせました。
 最後は、ポスターセッションで各地域で活発に活動されている方の、お仕事をみせていただきました。中でも四国の四万十市の市役所の方が、在宅要介護者への口腔ケア事業の展開を行われているご発表は、要介護者にたいして行う居宅サービスのうち口腔関係の利用率が少ないことに着目し、事業展開をはじめたという報告でした。萩市でも、参考になると思い演者の山口ともこ先生と名刺交換をさせていただきました。歯科衛生士さんが、市役所に入って立派な活動されているのには、感心しました!萩市でも、採用を考えてみたらどうですかね?
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